- 由緒
抑当町東山に鎮座まします西宮神社は、今から凡そ800年前摂津国武庫郡西宮神社より蛭児大神、天照大神の御分霊を奉齋し、寛保2年正月以来、西宮大神の「御神像之札賦与之」の神職免許状」を別当山本家に授与され、近くは文久2年5月23日神祇官領長上侍従卜部朝臣より西宮神社神職裁許せられ、奉仕してきたものである。然るに山本家の氏神として奉齋していた大国主神、事代主神の御神像が、由あって次々と他家の手に渡り、遠く西国は大阪に渡る。この御神像を入手した館の主の夢枕に立ち、「我が郷土は奥州の地に在り、その処に安座する」との御告げを得てより、両大神入手された各館は次々と破産の由伝えられ、遂に御神像は渡り渡って石巻に至る。かくて久しく牡鹿郡石巻町沢口家の氏神八幡神社に合祀されていたのを、当志津川町の敬神家に譲り、石巻町佐藤仙六氏の協力を得て、この地に勘請の議を進めるや、両大神の御託宣により、沢口家の快諾するところとなり、大正5年10月甲子吉辰を卜し佐藤熊五郎、千葉清平の両氏が御神像奉迎のため石巻に至り、勘請して十日町裏屋敷山本静氏宅に安置せり。それより2年後の大正7年10月20日、山本家が仙台へ移住するに至り、当町千賀大啓氏の先代を経て、本浜町の漁師仲間で恵比寿講を創設、御神像を拝受して、佐々木金一氏宅に仮安置し大正11年10月20日、東山鎮座西宮神社の社殿を修理造営してこれを合祀し、爾後山本家の親戚川村由治氏宅が別当職を継承し、昭和48年御社殿を増築して今日に至る。
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