神葬祭

~神道の形式によって行われる日本固有の葬法~

神道しんとうの形式によって行われる葬儀を「神葬祭しんそうさい」といいます。葬儀というと一般的には仏教の専門と思われがちですが、神葬祭はすでに仏教伝来当時からあったことが、『古事記』『日本書紀』といった古典にも記されていて、神葬祭は日本固有の葬法だったことを物語っています。
神葬祭での拝礼作法は、神職から玉串たまぐしを受けたら、御霊前のあん(台のこと)の前まで進み、軽くお辞儀をして玉串を案の上に置きます。この時玉串は根本が御霊前の方を向くように置きます。次に、二礼二拍手一礼ですが、この時の留意点として拍手は、「忍び手しのびて」といい、音を出さないようにします。次に軽くお辞儀をして元の位置に戻ります。
神葬祭は地域にもよりますが、一般的には以下のように行います。

神葬祭(しんそうさい)

帰幽奉告きゆうほうこく
納棺のうかんの儀
通夜祭つやさい
遷霊祭せんれいさい
発柩祭はっきゅうさい(出棺式)
葬場祭そうじょうさい(告別式)
火葬祭かそうさい
埋葬祭まいそうさい
帰家祭きかさい
清 祓きよはらい
合祀祭ごうしさい
◆毎十日祭
◆百日祭
◆一年祭
◆年 祭

毎十日祭まいとうかさい百日祭ひゃくにちさい

人が亡くなった後、五十日まで、十日毎に神職を招いて毎日のまつりを鄭重ていちょうに行います。これを毎十日祭といいます。
五十日祭は、今日で喪が明けることを知らせる祭です。

年祭ねんさい

神葬祭が終わると節目ごとに、御霊の遺徳を偲び、一年祭に始まり、三年・五年・十年・二十年・三十年・四十年・五十年と続きます。これを年祭といいます。
一年祭までは神葬祭の延長と考えられ、以後、故人の御霊は祖霊として祀られます。

恒例祭こうれいさい

春季・秋季霊祭みたままつり正辰祭しょうしんさい月次祭つきなみさい日供にっくを恒例祭といいます。
春秋二季の霊祭は、春の最中と秋の最中、すなわち昼夜平分の日(春分の日/秋分の日)に先祖代々の御霊に対し、子孫が追慕追悼の誠を捧げると共に、祖先の加護をお祈りする祭りです。
正辰祭はいわゆる祥月命日しょうつきめいにちの祭で、死去した日に故人を追慕します。普通は各祖霊中で、始祖、両親、近親及び中興の祖神のような特殊の祖霊に対して行います。
月次祭は、月の始めと半ばとに行い、日供を一段と鄭重にする祭です。なお月次祭の中で1月1日は歳旦祭さいたんさいとして行います。
日供は、日々の奉仕であって、日々祖霊の恩徳を偲び加護をお祈りする大切なお勤めです。